【高麗郡情報】「武州世直し一揆」の真実が明らかに・・・150周年で出版
「武州世直し一揆」の真実は?
今語り継ぎたい郷土の歴史が、一冊の本になった。
名栗から始まった群衆の波は瞬く間に関東一円にひろがった…
幕末の1866年(慶応2年)に起きた「武州世直し一揆」から150周年を迎え、このほど『語り継ぎたい「武州世直し一揆」の真実』(武州世直し一揆百五十周年記念事業実行委員会編・クリエイトブックス)が出版されました。郷土の歴史にとどまらず、幕末当時の農民、庶民の様子がわかる貴重な資料ともいえます。
本の内容は、2016年6月に開催した「武州世直し一揆150周年記念集会」と関連セミナーの講演記録を中心にまとめられ、さらに中学校社会科授業で扱われた際の教材資料も掲載されています。
内容目次
口絵 武州世直し一揆を写真で追う 川中正憲
第一部 講演「武州世直し一揆」とは何であったか? 森 安彦
第二部 講演「慶応二年武州世直し一揆再論 大舘右喜
第三部 中学生のための「武州世直し一揆」講座 小俣洋一郎
定価:1,000円+税 A5 版・120ページ(カラー8ページ)
お求めは・・・
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☆書店「めいわどう」(飯能市本町1-23)
☆小俣さん(電話・FAX共 042-971-3638)/川中さん(電話・FAX共 042-982-5988)
1866年(慶応2年)幕末に起こった物価高騰がきっかけで、上名栗村、今の飯能市で、農民たちの不満が爆発し蜂起。瞬く間に武蔵国(埼玉県、東京都)一円に広がりました。幕府によって一週間ほどで鎮圧されましたが、農民を中心に10万人を超える人々が加わったとされています。
2016年6月に飯能市・市民活動センターにて開催した「説経節と講演の集い」は、主催者の予想を大幅に超える250名の参加を得ました。来場者は東久留米、青梅や所沢、川越、さいたま、深谷、秩父など飯能・日高以外から来た方も多く、参加の動機として挙げられたのが、150年前の「打ちこわし」について、実際のところ何が起こっていたのか知りたかったからというもので、もっと詳しく知りたい、資料が欲しい、という声が多数聞かれました。
これらの声から「武州世直し一揆」について、その研究成果が学術誌に掲載されてはいても一般向けの書籍としては非常に限られていたことが痛感されました。そこで、150周年の今年中に、専門家が平易に語った講演内容を中心として、一揆資料や会場で寄せられた質問への回答をまとめたものを手に入り易い価格で書籍とすることを企画しました。それに加えて一揆の全貌を伝える絵図・写真や、実際に震源地名栗において中学校の授業で使用した教材史料も今後の郷土史教育の一助となることを願って併せて掲載致しました。
著者紹介・・・
森 安彦 元中央大学文学部教授 東京教育大学文学部史学科(日本史学)卒業。同大学院文学研究科(博士課程)修了。日本近世史を中心に村落史。幕末社会史。女性史。教育史に関する著書・論文多数
大舘右喜 元帝京大学文学部教授。國學院大學文学部史学科(日本史学専攻)卒業。博士(歴史学)。『幕藩体制社会形成過程の研究』(校倉書房刊)その他、著書多数。
小俣洋一郎 元中学校社会科教諭(名栗中6年間勤務)。静岡大学人文学部卒業。武州世直し一揆百五十周年記念偉業実行委員会所属。
川中正憲 医学博士。帯広畜産大学獣医学科卒業。秩父事件研究顕彰協議会会員。武州世直し一揆百五十周年記念偉業実行委員会所属。
武州世直し一揆百五十周年記念事業実行委員会は、今後、「武州世直し一揆の会」として活動していくことを計画し、その初会合を出版日である12月10日に、飯能市図書館で行いました(会員20名)。これからは「武州世直し一揆」の学習と顕彰活動、語る会、足跡を歩く会などを主催したいと考えています。