【報告】韓国の小学校の先生一行が、高麗川小学校を視察、児童や先生方と交流 6/6(金)
6月6日(金)、韓国の小学校の先生一行58名が、日高市立高麗川小学校を視察研修に訪れ、授業参観や模擬授業などを通して、児童や先生方と交流しました。
この一行は、公益財団法人日韓文化交流基金が実施している事業で、日韓学術文化交流事業訪日団として韓国全土から選抜された若手小学校教員の皆さんです。昨年秋、日韓文化交流基金から高麗1300に今回の交流事業の打診があり、さっそく日高市教育委員会中村一夫教育長(当時)に伝えたところ、「これはよいお話ですね」と受け入れを快諾いただき、実現の運びとなったものです。
日韓文化交流基金と高麗1300は、高麗郡建郡1300年記念事業を通じて2015年頃から交流してきており、日韓交流おまつりへの参加や一昨年の韓国大学生訪日団と埼玉女子短期大学との交流の仲介などをしています。
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高麗川小学校に到着後、体育館で歓迎式が行われました。全校児童が迎えて高麗川小学校校歌を元気に歌いました。韓国の先生からは「みんなで校歌を歌ってくれたのがとてもうれしかった」と感想。
このあと、半田貞晴校長から高麗小学校の取り組みについて説明を受けたり、3・4時間目の授業を見て回ったり、児童らと同じ給食を食べたりしました。また昼休み時間には、教室や校庭で遊ぶ児童と直接交流しました。国は違い、言葉は通じなくてもそこは小学校の先生です。あちこちで子どもたちとの輪ができていました。
午後は、韓国の先生が6年生に日本語で模擬授業を行いました。韓国で人気のクイズ番組をまねて、韓国の子どもたちの生活に関する問題などが出され、児童らも元気に答えていました。
また、今回の訪問では、日高市教育委員会との交流も図られました。島津芳久日高市教育長は、挨拶の中で「日高市は文化と歴史が息づくまちです。高麗神社に代表される、古代朝鮮半島とのつながりがあります。日高市で多くの学びと発見をしていってください」と激励しました。教育委員会の志村憲一参事と小坂井啓二指導幹が、日高市の教育の実情や、コミュニティ・スクールの取り組みなどを説明しました。
地域との連携による様々な活動をしていることに関心が高く、登下校の見守りボランティアが無償であることに驚いていました。また、韓国も子どもが減っていることや教員のなり手が少ないことなど、共通の課題も互いに認識した様子でした。
李瞰民さん(イ・チョルミン、富川東初等学校)は、「日本との共通点も多く、今回の研修で得たことは韓国でも生かせます。小中一貫教育がとても印象的でした。高麗川小学校の児童は、礼儀正しく自分の役割を明るくつとめていて、とても良い子たちです。歓迎式で、児童全員で『アニョハセヨー』と迎えてくれたことなど、がんばって準備をしてくれていたのがとてもうれしかった」。
李貞華さん(イ・ジョンファ、伽平初等学校)は、「給食に、お好み焼きが出たので、とてもうれしかった。掃除の時間に、雑巾を手で絞り拭いていることに驚きました。プールの授業では、まだ1年生なのに、先生の言うこと聞いて秩序を持って行動していたのが印象的でとても良かったです」。
副団長の権琪定頁さん(クォン・ギジュン、国立国際教育院)は、「若い先生たちが韓国に帰って、自分の教え子たちに日本での体験を伝えてくれることに期待しています。一人の先生から何十人もの子供たちの韓国と日本の交流が始まります。」
半田貞晴校長は、「日本とは隣の韓国だが、子どもたちには(韓国の)情報が伝わらない。今日は韓国の小学校の先生が来てくれて、子どもたちにとっても日本と韓国の距離が縮まってよい関係がつくれたのではないか。このような経験を通して、グローバルな視点で生活してくれたらと願います」。
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韓国の先生方の児童を引きつける優しい笑顔が印象的でした。日韓の教育現場でも交流を通して友情をはぐくむとともに、共通の課題解決に向けて協力し合えることもあるのではないか。こうした地道な活動は、未来の日韓関係がより良いものになるためには欠かせないと感じる一日でした。
「日高市教育委員会は、給食の試食や韓国の先生による模擬授業、教育委員会による研修などといった、日韓文化交流基金からの希望を全面的に受け入れ対応されていました。姉妹都市烏山(オサン)市との長年にわたる交流の実績があり、今回もそれが活かされているものと感じました。特に高麗川小学校の先生方は、準備にご苦労があったと思います。このような機会を実現してくださったことに、関係者の皆様に敬意を表し改めて感謝申し上げます。」高麗1300会長 大野松茂













