高麗郡歴史シンポジウムを開催
高麗郡の建郡を多角的に考える
第1回高麗郡建郡1300年歴史シンポジウム
謎の多い高麗郡の歴史をさまざまな角度から考えようと「第1回・高麗郡建郡1300年歴史シンポジウム」が11月30日、日高市との共催で市文化体育館「ひだかアリーナ」で開かれました。今回のテーマは「高麗郡の建郡を多角的に考える!」です。
考古学、文献学、古代史など各分野の専門家からそろって高麗郡の歴史について語るのは初めてとあって、600席を用意した会場がほぼ満席となる盛況でした。
会場のロビーでは、日高市内の遺跡から発掘された高麗郡と同時代の遺物が展示されました。来場者は、役人が使用するベルトの装飾品や鳥の形の硯、文字の書いてある土器など、普段は見ることのできない文化財の数々を熱心に見つめていました。
シンポジウムは、4名の専門家による基調講演とパネルディスカッションの2部構成で行われました。
基調講演のテーマと講師は次の通りです。
「日高市周辺の発掘成果より~高麗郡内の遺跡の特徴とは~」中平薫氏(日高市教育委員会)
「埼玉県内の古代寺院、特に瓦のあり方より~高麗郡の役割とは~」高橋一夫氏(元埼玉県立博物館長)
「考古学から見た律令政府の東国・東北政策より~高麗建郡の意味は~」須田勉氏(国士舘大学教授)
「東アジアと日本の政治状況から~高麗郡建郡の歴史的な意義は~」荒井秀規氏(慶応義塾大学兼任講師)
休憩をはさんで行われたパネルディスカッションでは、基調講演のメンバーがパネラーとなり、会場からの質問に答えたり、今後の研究課題などを話し合いました。
鶴ヶ島市から来た公務員の50代男性は「初めて聞く話が多くてびっくりした。地元に関心を持ついい機会になったのではないでしょうか」と話していました。
またこの日は、高麗郡の歴史をやさしく解説した小冊子「早わかり高麗郡入門Q&A」を数量限定で無料配布しました。なお、小冊子は現在、在庫切れとなっています。増刷して配布可能となった場合には、ホームページ等で告知します。