高麗浪漫学会通信  第13号  

高麗浪漫学会通信  第13号  

高麗浪漫学会通信  第13号         2016年月9月1日(木)
編集・発行 高麗浪漫学会
〒350-1231 埼玉県日高市鹿山283番地5(すみや電気2F)
TEL:042-978-7432 E-mail:info@komagun.jp

7月31日(日)に高麗浪漫学会の第4回定期総会が開催されました。
平成27年度事業及び決算報告、平成28年度の事業計画・予算が、無事可決されました。本年は、建郡1300年の当該年ということで、12月に行われる第4回高麗郡歴史シンポジウムも総まとめということになります。同シンポの詳しい開催案内パンフは、今のところ10月に配布予定です。高橋一夫会長からも、同シンポの開催の件も含め、当会としては「総括と今後の展望」を明確に示す必要があると話されました。総括の意味は、今まで実施した講演会・講座・シンポジウムの内容と研究の進展をどうまとめるか、という意味です。
また、今後の展望は、当会の来年からの具体的な活動方針です。まだ明確に決定はしていませんが、本年度中に運営委員会を開き、具体的な活動内容を検討したいと考えています。今後の活動について、会員の皆さんのご要望があれば、どうぞご気軽に事務局までご提案ください。
なお、総会後は、第3回公開歴史講演会「高句麗から高麗郡へ」(講師:早乙女雅博・東大大学院教授、須田勉・元国士舘大学教授)が開催され、約600名の参加があり、熱心に聞き入る聴衆が多く見受けられました。                    (高麗浪漫学会事務局:山田英次)

《歴史コラム》 高麗人の足跡7 『新撰姓氏録』にみえる高句麗系氏族(その2)
(高麗浪漫学会理事 赤木隆幸)
前号に引き続き、『新選姓氏録』の右京諸蕃下条を掲載いたします。
『新撰姓氏録』右京諸蕃下条
高麗
長背連(ながせのむらじ)。高麗(こまの)国主(こにきし)、鄒牟(すむ)〈一名は朱蒙(しゅもう)〉より出(い)づ。天国排(あめくにおし)開(はるき)広庭(ひろにわの)天皇(すめらみこと)〈諡(おくりな)は欽明〉の御世に、衆を率いて投下(まい)れり。皃(かお)美しく体大きくして、その背の巾長かりき。仍りて名を長背(ながせ)王(のきみ)と賜ふ。
難波連(なにわのむらじ)。高麗国の好太(こうたい)王(おう)より出づ。
島(しま)岐史(きのふひと)。高麗国の能祁(のうき)王(おう)より出づ。
島史(しまのふひと)。高麗国の和興(わこう)より出づ。
狛首(こまのおびと)。高麗国の安岡上(あんこうじょう)王(おう)より出づ。
高田首(たかだのおびと)。高麗国の人、多高子使(たこうしのお)主(み)より出づ。
日置造(へきのみやつこ)。高麗国の人、伊利須使(いりすのお)主(み)より出づ。
高安(たかやすの)下村(しものす)主(ぐり)。高麗国の人、大鈴(おおすず)より出づ。
後部(こうほうの)王(おう)。高麗国の長王(ちょうおう)周(しゅう)の後(すえ)なり。
※詳しくは、佐伯有清『新撰姓氏録の研究』考證篇第五(吉川弘文館、1983年)を参照ください。

《お知らせ・掲示板》
◆「高麗郡1300年」特別展(埼玉県立歴史と民俗の博物館)7月16日~8月31日・・・盛況裏に終了する。高麗神社所有の未公開史料が多く展示された他、期間内に開催された記念講演会も含め、今までにない反響があったそうです。特に講演会は150名定員のところ倍近い申込みがあったそうで、開催期間中約7000名以上の来場者があった他、図録も開催期間の途中で完売となりました。今回の展示で、高麗郡の歴史に関する関心の深さがうかがえました。

◆「日本に根付いた渡来人~高麗郡と高麗神社」企画展(國學院大學博物館)9月3日~10月10日
詳しくは、別紙開催案内パンフの通り。9月24日(土)14:30~15:30には、ミュージアム・トーク:高麗文康宮司&深澤太郎(同大学准教授)も開催されます。JR渋谷駅東口より徒歩13分。

◆「高麗人集結(こまびとしゅうけつ)~霊亀2年にやってきた開拓者たち」特別展(飯能市郷土館)10月9日~12月4日が開催されます。展示内容は、高麗人の紹介、高麗郡の移住(出土品等)、高麗郷と上総郷、開拓の様子などで約250点の関係物が展示されます。期間中は関連講座が同館にて4回開かれ、10月23日「渡来人と建郡」原正人氏、10月30日「古代高麗郡の群像(若光・福信をはじめとして)」須田勉先生、11月20日「二つの高麗王若光物語に込めた思い」高麗文康宮司、11月未定「古代の高麗郡を発掘する」富元久美子氏があります。いずれも定員30名とのこと。

◆10月15日(土)13:30~15:00・高麗郡1300年大学:第2回目講座「高麗郡の建郡と東国世界」
講師:吉村武彦先生(明治大学名誉教授)会場・埼玉短期大学:定員300名。日高市産業振興課にて申し込み受付中です(電話:042-989-2111)。ふるってご参加を。別紙開催案内パンフの通り。

◆12月4日(日)13:30~16:30・高麗郡1300年大学:第3回目講座「新視点からみた建郡当時の高麗郡!」会場・日高市文化体育館ひだかアリーナ:定員600名。2週間後の高麗郡歴史シンポジウムに先たってのプレ講演会として開催します。1)「郡の構成について」赤木隆幸氏(高麗浪漫学会理事)、2)「考古学からみた高麗郡の実態」加藤恭朗氏(坂戸市教育委員会)。詳しくは後日ご案内。

◆12月18日(日)13:00~17:00・第4回高麗郡建郡1300年歴史シンポジウム「仮:ここまでわかった高麗郡建郡の謎!」会場・日高市文化体育館ひだかアリーナ:定員800名。いままで開催した高麗郡歴史シンポの総まとめとしてのシンポジウムとなります。プログラム概要は、次の通り。
講演1:「仮・東アジアからみた高麗郡建郡」(30分)柿沼亮介氏、講演2:「仮・古代寺院~高麗寺・女影廃寺・百済寺~」(30分)須田勉先生、講演3:「仮・考古学的に高麗郡を考える」(30分)富元久美子氏、講演4:「仮・高麗郡役所の地を推定する」(30分)中平薫氏。パネルディスカッション(60分)コーディネーター:高橋一夫会長。詳しくは、後日、10月配布予定の開催案内パンフを!