【授賞式は5/18開催】第6回渡来文化大・三賞が決定! 大賞は小嶋芳孝著『古代環日本海地域の交流史』(同成社)
第6回渡来文化大賞・授賞式は、5月18日(土)に、高麗1300総会終了後(14:00頃)に開催します。会場は、高麗神社・参集殿2階大広間です。出席対象者は高麗1300会員と関係者になります。
既に、会員の皆様には案内状をお送りしおります。同封の返信ハガキにて、総会を含む出欠のご連絡をいただきますよう、お願い申し上げます。
日本高麗浪漫学会 高麗澄雄記念
『第6回渡来文化大賞』授賞者決定
高麗1300と日本高麗浪漫学会は、日本高麗浪漫学会 高麗澄雄記念「第6回渡来文化大賞」(対象業績期間:2021年1月1日~2023年12月31日、締切り:2023年12月31日)への募集を広く実施したところ、多数の応募を頂戴しました。
2024年3月7日(木)、横浜市歴史博物館会議室において、渡来文化研究大賞並びに奨励賞、啓蒙賞の選考委員会(鈴木靖民委員長)を実施し、5人の選考委員の先生方に広角的専門的にご審議いただきましたところ、以下の選考結果となりました。
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<高麗1300会員の皆様へご案内>
第6回渡来文化大賞・授賞式を、5月18日(土)に、高麗神社にて開催する予定です。準備が整い次第改めてご案内申し上げます。多くの皆様にご参加いただきますようお願い申し上げます。
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<渡来文化研究大賞(1件)>
小嶋芳孝 著
『古代環日本海地域の交流史』同成社、2023年2月発行
≪授賞理由≫
日本列島の日本海に面した地域と中国・朝鮮半島、ロシア沿海地方など対岸世界とのモノと人の交流の諸相を追究した研究である。これらの地域を諸民族・諸集団の接触の場、交易の集散地、宗教世界の場と捉えている。著者の研究の契機となった羽咋市寺家遺跡をはじめ、関連する古代水陸を主とする遺跡や各地の錫製品などを含む遺物を幅広く取り上げて、数多くの問題を提示する考古学、文献などの学融合的な成果として注目される。各事例をつらぬく全体の展望を述べてほしかった。こうした事例を各地において、渡来文化、渡来人に融合させるのが今後の課題であろう。この学術書は渡来文化研究大賞に値するものである。
<渡来文化研究奨励賞(1件)>
諫早直人 編
『牧の景観考古学~古墳時代初期馬匹生産とその周辺~』六一書房、
2023年1月発行
≪授賞理由≫
大阪府四条畷市の蔀屋北遺跡を主とする5世紀からの古墳時代の遺構、遺物に関する馬の研究会の共同研究の成果をまとめて一書とした、21人による多様な論点からの意欲的、積極的な研究である。文献にみえる「河内の牧」「河内馬飼」にも対応させ、ヤマト政権との関連性、さらに馬の生産、飼育、普及等の技術や消費と密接な朝鮮半島の考古学的な知見をも摂取し、日本列島内の東国の馬ないし牧にも目配りし、交通の観点も意識されている。土器、鍛冶遺構、仏教などにも留意されている。
全体的なまとまり、あるいは景観考古学という研究領域での見通しについては、なお今後に期するところが少なくない。渡来文化の重要な一角を占める馬、牧の実態に迫る研究として、渡来文化研究奨励賞にふさわしいものである。
<渡来文化研究啓蒙賞(1件)>
熊本県立装飾古墳館分館 歴史公園鞠智城・温故創生館
「渡来系技術から見た古代山城・鞠智城」~渡来系技術の重層性~
(2022年・2023年)
- 『鞠智城シンポジウム発表要旨2023:渡来系技術と古代山城・鞠智城~渡来文化の 重層性~』 熊本県教育委員会2023年10月1日発行
- 『鞠智城シンポジウム成果報告2022:渡来系技術から見た古代山城・鞠智城』熊本県教育委員会2023年3月31日発行
- 『鞠智城シンポジウム発表要旨2022:渡来系技術から見た古代山城・鞠智城』
熊本県教育委員会2022年10月23日発行
≪授賞理由≫
平成21年から開いてきた鞠智城シンポジウムの令和4年・5年「鞠智城の渡来系技術」についてまとめたものである。鞠智城の選地、城門、土塁、貯水池、建物、出土遺物などをめぐる朝鮮の百済・新羅・高句麗の状況、渡来系移民の役割を考古学、文献史学、建築史の多分野から追究し、論点を明らかにした。鞠智城はもとより、日本の古代山城の解明に資す注目すべきことであり、シンポジウムや著作により市民・県民に対しても蒙を啓く意義が大きい。渡来文化研究啓蒙賞にふさわしいものである。
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選考委員会の様子(3月2日・横浜市歴史博物館会議室)
<選考委員会>
~渡来文化大賞選考委員会委員(敬称略)~
鈴木靖民(委員長):國學院大學名誉教授
早乙女雅博(副委員長):東京大学名誉教授
佐藤 信 :東京大学名誉教授・横浜市歴史博物館館長
李 成市 :早稲田大学文学学術院教授
酒井清治 :駒澤大學名誉教授
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令和6年3月30日
<主催> 高麗1300 会長 大野松茂
日本高麗浪漫会 会長 須田 勉