【報 告】古代日本への渡来文化の影響について150人が聴講・・・第5回高麗郡公開歴史講演会(7/15)
7月15日(日)、日高市生涯学習センターを会場に、第5回高麗郡公開歴史講演会を開催、150人が参加しました。連日猛暑が続き、この日も気温35度。とりわけ高麗川駅から歩いてきた皆さんは汗びっしょりになって到着していました。6月7日から事前申込みを受付け、6月30日には定員の150人に達してしまい、多くの皆様にお断りすることとなってしまいました。
これまでの4回は、主に高麗郡に関する認識を深めるために、その道の第一人者の講師を招いて講演いただきてましたが、今回は日本古代史、東北アジア古代史に大変造詣が深い國學院大學名誉教授で横浜市歴史博物館館長の鈴木靖民(すずきやすたみ)先生に講演いただきました。
(講演概要)
7世紀の、飛鳥京・藤原京時代の、日本列島における倭の大和・河内を中心とする国家形成の過程において、仏教思想に依拠した文化形成と並んで、在来の倭人だけでなく、主に百済、高句麗、新羅、加耶などの朝鮮半島各地から移住した渡来人の活躍があった。当時の国家形成・文化形成において、彼ら渡来人の果たした役割は大きい。今までの知見をもとに、彼ら朝鮮の人びとが文化形成に寄与したいくつかの事例を、調査結果などにより具体的に紹介された。
事例:「(奈良県明日香村)都塚古墳の調査と百済・高句麗の影響」「(同村)飛鳥寺の造寺と百済(王興寺)・高句麗・北朝の仏教」「正倉院佐波理加盤と新羅の文字文化」「上野三碑と新羅人」「藤原京跡出土木簡の高麗若光」「(奈良県明日香村)キトラ古墳壁画の四神獣・星宿図」「法隆寺宝物の天蓋垂飾にみる古代朝鮮の国々や渡来人の複合的な文化的影響」
第2部のトークセッションにおいては、会場の参加者よりの質問事項に答えるかたちで、鈴木靖民先生を中心にコーディネーターの中野高行理事、コメンテーターの柿沼亮介理事をまじえ、主に古代の渡来文化の様相について活発に意見が交わされた。
参加者には、7月1日に発刊した古代東国10か国エリアの「古代東国渡来文化史跡マップ」を配布しました。
12月には、第6回高麗郡建郡歴史シンポジウムを早稲田大学(東京新宿)を会場に開催します。詳細はホームページやチラシ等でご案内いたします。
当日暑い中ご参加くださった皆様誠にありがとうございました。またお申込みをお断りした皆様、大変申し訳ございませんでした。次回へのご参加よろしくお願い申し上げます。