【お知らせ】第4回渡来文化大賞が決定! 大賞は 大橋信弥著『古代の地域支配と渡来人』(吉川弘文館) 授賞式&ミニ講演会は5/21(土)開催
日本高麗浪漫学会 高麗澄雄記念
『第4回渡来文化大賞』授賞者決定
*授賞式&ミニ講演会開催のご案内*
会員の皆様へ
既にご送付のご案内状の通り開催いたしますので、同封の『総会・授賞式出欠ハガキ』にてご出席の有無をご連絡ください。
日時:2022年5月21日(土) 14:30~16:30(受付14:00~)
※高麗1300第2期定期総会終了後
定員:30人(高麗1300会員限定・先着順・出欠ハガキにてお申込み)
当日は、受賞者の大橋信弥様、南健太郎様のミニ講演会がございます。ぜひご参加ください。
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日本高麗浪漫学会高麗澄雄記念「第4回渡来文化大賞」(対象業績期間:2019年1月1日~2021年12月31日、締切り:2021年12月31日)への募集を広く実施し、3月2日の選考委員会(鈴木靖民委員長)において5人の選考委員の先生方に広角的専門的にご審議いただきましたところ、以下の選考結果となりました。
<渡来文化研究大賞(1件)>
大橋信弥(おおはしのぶや) 著
『古代の地域支配と渡来人』吉川弘文館、2019年発行
<授賞理由>
古代の近江の渡来人をはじめ、有力な渡来人として知られる秦氏、倭漢氏の史実、伝説を取り上げ、6~7・8世紀の大和政権の地域支配の中で渡来人、渡来氏族の果たした意義を様々に究明する学術書である。
出土文字資料をもとに朝鮮半島に始まる文字文化の推進者として、琵琶湖湖東、蒲生野の開発の担い手として渡来人の役割を論じ、技術、技能の面などから具体的に描くことが特徴的である。秦氏、倭漢氏などの出自、移動経路に関して、各地からの人の移動と集合を想定し、安羅との関連、加耶南部での動向を重視する点も重要である。また渡来人同士の複合性に加えて、渡来人相互の競合を説く点が評価される。
大橋氏の研究は、2004年の『古代豪族と渡来人』以来の研究を踏まえ、日本古代国家の形成過程に渡来人を位置づける基本的、総括的な業績として大いに評価される。渡来文化研究大賞を授けられるのに十分値する。
<渡来文化研究奨励賞(1件)>
南健太郎(みなみけんたろう) 著
『東アジアの銅鏡と弥生社会』同成社、2019年発行
<授賞理由>
中国の漢代、日本列島の弥生時代の漢鏡、仿製鏡、破鏡などの銅鏡について、銅鏡の列島への流入、各地への拡散をめぐる弥生社会の変化を実証的に追究して、特に九州など、地域の社会統合、社会形成のシステムを解明した学術書である。銅鏡を弥生社会における威信財とみなす点が特色であり、仿製鏡の役割の独自性を指摘する点も成果である。
朝鮮半島、日本との交流への論及が余りないが、渡来文化の概念を拡大して東アジアと日本ということで捉えるなら有意義な力作と評しうる。今後の発展に期待するが、渡来文化研究奨励賞の授与するにふさわしいものである。
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<選考委員会>
~渡来文化大賞選考委員会委員の皆様(左から・敬称略)~
李 成市 :早稲田大学文学学術院教授
鈴木靖民(委員長):國學院大學名誉教授
早乙女雅博:東京大学名誉教授
酒井清治 :駒澤大學名誉教授
佐藤 信 :東京大学名誉教授・横浜市歴史博物館館長
令和4年4月1日
<主催> 高麗1300 会長 大野松茂
日本高麗浪漫会 会長 須田 勉