【報 告】山王塚古墳から河越館跡 入間郡の古代から中世を巡る 第11回歴史ウオーク 3/27
第11回高麗のふるさと歴史ウオークは、2022年3月27日(日)、西武新宿線「南大塚駅・北口」から東武東上線「霞ヶ関駅・北口」までの約12Kmを、48人が歩きました。
2月より募集したところ、たちまち募集人数の30人に達してしまいました。その後50人になったところで締め切りとしました。直前まで多くの方にお申し込みのご連絡をいただきましたが、お断りすることとなってしまいました。ご希望に添えられなかった皆様には大変申し訳なく、またご容赦いただきたくお願い申し上げます。
さて、当日は、9時に西武新宿線「南大塚駅・北口」を出発、まずは、16号国道沿いの菅原神社境内へ。そこで、オリエンテーションと準備体操。そしてまずは、本日一番の目玉、『山王塚古墳』へ。
山王塚古墳は、16号国道の関越道川越インターチェンジ近くにあります。周辺は住宅や事業所があり、うっかりすると見過ごしてしまいます。
本日、スタートからゴールまで同行の上、各所の歴史解説をしてくださるのは、川越市立博物館の平野寛之さんです。
山王塚古墳では、あらかじめ参加者の皆さんにお配りした資料を見ながら、古墳の形状や遺物について詳しく解説いただきしました。また、時代背景から山王塚古墳の重要性なども話されました。現在、国指定に向けて準備が進められているとのことです。
山王塚古墳の後は、南大塚古墳群の中を歩きながら、川越地方卸売市場へ。ここでは、構内のスーパーで買った弁当を食べたり、食堂で新鮮な魚介類の定食を食べたり、思い思いに昼食をとりました。
ところで、東山道武蔵路は、卸売市場を縦断しているそうです。(写真がなくすみません)
昼食後、まずは、入間川を八瀬大橋で入間川を渡り、川越市の的場地区へ。
八幡前・若宮遺跡は、大型の降り井戸や「驛長」と書かれた墨書土器が見つかっていることから、東山道武蔵路の駅家(うまや)跡と考えられています。ちょうど東山道武蔵路が脇を通る位置にあります。今では住宅地になっていますが、的場駅へ向かう道は、東山道武蔵路の現存道路だそうです。
続いて、「牛塚古墳」へ。JR川越線沿いにあり、車窓から見えることから、ご存じの方も多いかもしれません。ここでも平野さんが解説、前方後円墳で、当初の人物とは異なり後から埋葬された人物がいて、そこからは朝鮮半島由来の金銅指輪が見つかっています。このことから渡来系氏族とのつながりも考えられています。その時代時代にいろいろな人々がこの地に根付いてきたことが判ります。
次は、霞ヶ関遺跡。霞ヶ関駅近くに広がる住宅地開発に伴う発掘調査で、7世紀後半の「入間評家」と8世紀の「入間郡家」の遺構が見つかっています。立地としては、東山道武蔵路も西に通り、牛塚古墳がある古墳群からもほど近い位置になります。後の河越館跡は、北東の位置にあります。
そして、河越館跡へ。国指定史跡になっていて、いたるところに解説版があり、館の内部の様子を紹介しています。ここでも、平野さんの解説によって、館内の建物や堀、さらには当時の河越氏の活躍ぶりなども説明され、参加した皆さんは熱心に聞き、質問も多くしていました。
最後は、上戸日枝神社。河越氏と縁のある神社です。
幸い、暑くなく寒くなく、むしろ曇り模様でとても歩きやすい陽気でした。またどこの桜も丁度見頃で、まるで私たちを迎えてくれているようでした。春の一日、皆さん大変お疲れさまでした。
最後に、今回のマップです・・・
mAPご希望の方は、事務局までご連絡ください。お分けいたします。
次回第12回は、10月に予定しています。「若葉台遺跡」など高麗郡建郡前後の遺跡を巡り、坂戸市などを歩きます。詳細が決まりましたらお知らせいたします。そろそろ古代高麗郡関連の遺跡巡りも一通り回りきることになります・・・